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目箒雑記

ネタ帳と日記。

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アルトゥーロ・ロッタの誕生日

今日、ロッタの誕生日だったよ…!と言う訳で続きからバースデー小話。
この時代ってネクタイどれくらいで買えたんだろう。

若干腐って…る…?

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「アルトゥーロ、お誕生日おめでとう」
 そう言ったジンジャーに渡されたのは、一本のネクタイだった。
「誕生日?」
「今日でしょ?」
「何で俺も忘れてたのをお前が覚えてるんだ?」
「えへへー、内緒」
 照れたようにジンジャーは笑う。同じ超能力組織で働いていて、数ヶ月前に一度命を落とし、吸血鬼として蘇生したこの十六歳年下の少女の考えることは、ロッタの理解の範疇を越えた。
「お前にしちゃ趣味が良いな」
 ダークブルーのネクタイだった。原色を好むロッタだったが、これはこれで深みがあって良い。「礼を言うぜ」
「それして、おしゃれしてバジルと御飯に行ってね」
 最近、自分にしては珍しく「親しく」している男の名前が出ると、ロッタの顔に明らかな狼狽が浮かんだ。
「おっさんは関係ないだろ」
「だって、バジルと仲良いじゃない。友達と遊びに行くんだったらお洒落しないと!」
「そう言うもんか?」
「そう言うもんだよ!」
「にしては、お前も大して服装変わらないよな」
「だってお金ないんだもん」
「そうかよ」
 言いながら、ロッタは渡されたネクタイをいじった。これに合うシャツがないと。ボタンを留めるのが面倒と言う理由で、彼の持っている服はほとんどがプルオーバーだった。一着くらいはシャツがあったような気はするが、しわくちゃになっているだろう。しわを伸ばさないといけない。
 そこまで考えて、彼は眉を寄せた。何でシャツのしわを伸ばす必要がある?これをしてバジルと出掛けるから?別に、バジルと出掛ける以外で使っても良いし、そもそもバジルと出掛ける必要もないだろう。

「良いじゃん」
 結局、部屋の隅からシャツを引っ張り出して、しわを伸ばし、バジルとの約束にネクタイを締めて行ったロッタは、その一言を聞いて、
「そ、そう、か」
 平静を装いきれていない返事をしたと言う。
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